今回ご提案させていただくプルオーバーは、60年代のビンテージROYAL NAVY(イギリス海軍)オフィサーシャツをイメージして作っています。
一見プルオーバーのカットに見え、実はフルオープンとなるフロント部分を見たまんまのプルオーバーにして、ヨーロッパヴィンテージに見られるグランパシャツような要素もミックスしています。
摩擦による痛みや汚れが出やすい衿部分のみ取り外し可能にした、デタッチャブルカラー。スタンドカラーと違い小ぶりな衿腰が特徴です。
クラシックな要素の強いデタッチャブルカラーをバンドカラーにし、衿の高さを低めに設定しています。
古着で探そうとすると、この年代の袖口はダブルカフス(フレンチカフス)。大体の物でボタンが欠損していることも多く、個人的にも持ってはいるんですが、日常生活でとっても不便なんです・・・。
そんなお悩みも解決すべく、使い勝手の良いシングルカフスにし、袖丈を通常のボタン位置で萌え袖に・・・調整ボタンで2クッションぐらいの絶妙なたまりを作る・・・と、お好みでご着用いただけるようにしています。
プルオーバーシャツのため、袖周りに膨らみを持たせ、着脱のし辛さを軽減し、より袖の丸みを演出しています。また、胸ポケットはあえて無しにしています。オリジナルに忠実にしている部分と、全体のバランスを考慮して胸ポケット無しのシンプルでミニマムなデザインに仕上げています。
プルオーバータイプのシャツはカットソー感覚で着用できるため、夏の暑い時期、袖を軽くロールアップしてショートパンツに合わせても、キチンと感とカジュアルな抜け感、両方を演出できます。
SIZE
M:身幅:約130cm 着丈:約83cm 肩幅:約57cm 袖丈:約58.5cm
L :身幅:約134cm 着丈:約85cm 肩幅:約59cm 袖丈:約59.5cm
素材:コットン100% MADE IN JAPAN
画像モデル173cm 59㎏ Mサイズ着用
90年代に生産されていたラルフローレンの名品(Big Shirts)をモデリングし、1からパターン作成に取り組みました。
このラルフの名品は当時販売されていたレギュラーサイズよりも、大きめに着ることを前提にしたモデルで、日本では販売されることもなく、時が経った今でも、古着市場で数量も乏しく手に入りづらい希少価値の高いモデルとされています。
但、Audienceでは、モデリング(参考)にはしましたが、着眼点を変えることで、シルエットを変えることに成功しました。
まずは、AラインのBOXシルエットを重点におき、サイズバランスを計算して数値を出しました。
ただそこまでだと、ラルフローレン/Big Shirtsをもモデリングし、サイズ感を着易いように修正しただけになってしまいます。
では、着眼点を変えるとはどういうことだったのか、それは肩のパターンを変えたことです。
一般的なシャツのパターンは、肩山の位置を前が長く、後ろが短く、袖が前に振れるよう設定されているのです。
人体構造に合わせた立体的なシルエットになってるんですね。
しかし、今回このBOX-Aラインシルエットでは、ゆとりのあるサイジングな為、同様の一般的な肩のパターンを採用してしまうと、前身頃に余計な余りが寄せられてしまい、袖ぐり周りにシワができ、野暮ったさが出てしまいます...
そこを解消するために、着眼点を変えて、生まれたのが、今回独自の新パターン。
要は身体のラインを綺麗に沿うように設計されているのがシャツなのですが、この新パターンは余計な余りを寄せないよう、余計なシワは前には生まれず、袖の前後で解消されるようなイメージです。
もう少し付け加えると、Audienceで爆発的に人気となったガーデニングコートのような袖付けになっていると言うと伝わりやすいでしょうか。
前身頃に余計なシワが出ないので、360°ぐるっと見渡した時に、綺麗なAラインを生んでくれる訳です。
余談ですが、最初に、この新パターン、シャツ専用工場の社長さんに依頼した時は…「こんなパターン、シャツではあり得ない!!」と言われたそうで…。意図をしっかりと説明し、理解した中で作成して頂けました。それくらいにシャツの概念を覆してまで生産に至ったわけです。
シルエットはゆったりですが、、肩回りなどに余計なシワが生まれず、すんなり着易いシルエットとなっております。
AudienceのNEWスタンダード・シャツです。